タロットカードには1枚ずつ、それぞれ意味・解釈があります。
そのカードの意味・解釈は占い師によってさまざまで、タロットのA本とB本を見比べると、カードの意味や解釈が違う……なんてこともよくあります。
なぜこのようなことが起こるのかというと、タロットはもともとその起源すらはっきりせず、誰が作ったものなのか分かっていません。
「おそらくこの時代に作られたのだろう」と言われているだけで、カードの意味・解釈についても「これが正解」というものが無いんですね。
なので、占い師によってカードの読み方が違っていたり、受け取る意味や解釈が違う、ということが起こるのです。
これは、ある意味仕方のないことですよね。
けれど、タロット初心者さんはこれが分からず、タロット本を読むたびに「解釈が違う」「こっちの本と意味が違う」と混乱してしまいます。
そして、その沢山ある意味・解釈をすべて覚えようとしたり、その沢山の意味や解釈を「一度に全部使ってしまう」といった間違いを犯しやすくなります。
今回は、「カードの意味や解釈を一度に沢山使い過ぎてしまう」、つまり「カードを深読みし過ぎてしまう」ということについて書いてみようと思います。
間違ったリーディング例
例として、大アルカナカードの「月」で間違ったリーディングをしてみますね。
例えば、「彼氏との関係を良くするためにはどうすれば良い?」という質問で1枚引きをして、「月」の正位置が出たとします。
月の正位置の主な意味は、「不安、先が見えない、迷い、中途半端、直感、スピリチュアリティ」などです。
もっと他にも意味や解釈があるかもしれませんが、今回はこれらの意味を使ってリーディングしていきます。
★間違ったリーディング例
「彼との関係について、あなたは不安に感じてるみたいね。 |
これはもうね、色々間違えています💦
まず、
「彼との関係について、あなたは不安に感じてるみたいね。
先が見えなかったり、彼との中途半端な関係に迷いがあるのかもしれません」
この部分ですが、これは「質問に対する答え」になっていませんので、そもそも間違いになります。
質問は「彼氏との関係を良くするための方法」を聞いています。
つまりこのカードからは、「彼氏との関係を良くするための方法、アドバイスメッセージ」を引き出さなければなりません。
なのに、間違ったリーディング例では、「彼に対する相談者の気持ちや状況」をリーディングしてしまっています。
これでは「質問内容に沿ったリーディング」ではありませんので、この読み方は間違いになります。
そして、
「でも大丈夫。あなたの直感を信じて。
スピリチュアリティなことを取り入れてみると、彼との関係が良くなりますよ」
こちらの部分は、きちんと「質問内容に沿った」リーディング、つまり「彼氏と仲良くなるためのアドバイスメッセージ」ですので、この読み方で良いです。
(※ただし、「直感を信じて」「スピリチュアリティなことを取り入れる」というのはあまりにも抽象的過ぎて、良いアドバイスとは言えません。アドバイスをする時は、これらを元にもっと具体的で分かりやすいアドバイスをする必要があります。とりあえず今回はこのまま行きます)
けれどこのリーディングで一番問題なのは、「月の正位置」のカードから意味を沢山引き出し過ぎていることです。
今回は分かりやすいように、月の正位置の意味すべてを使ってリーディングしましたが、本来はこのような読み方はしません。
タロットカードのリーディングは、基本的に1枚のカードからは「ひとつの意味」しか受け取りません。
けれど上記のリーディング例では、「不安」「迷い」「先が見えない」「直感」「スピリチュアリティ」とさまざまな沢山の意味を一度に使って深読みしてしまっています。
「不安、迷い、中途半端、先が見えない」などは、似たような意味になりますので、これらは一緒に使っていただいてもOKです。
「直感、スピリチュアリティ」も似たような意味になりますので、こちらも一緒に使っていただいて良いです。
けれど「不安、迷い」と「直感、スピリチュアリティ」では、意味が全く違いますよね。
このように、全く違う意味・解釈を1枚のカードから同時にリーディングするのは間違いになります。
もちろん、人によっては1枚のカードから全く違う意味をリーディングする方もいらっるでしょうし、「私のリーディング方法と違う」という方もいらっしゃると思います。
それはそれで良いです。自分のリーディングが正しいと思うのでしたら、そのようにしていただいて全然良いと思います。
けれど、タロット初心者さんで、タロットを上手に読むことが出来ない…と悩んている方は、出来る限り1枚のカードから受け取るメッセージは「ひとつだけ(似たような意味ならばいくつでもOK)」にしてみて下さい。
そのように心掛けると、グッとリーディングが楽になりますよ。
なぜ「深読み」がダメなのか?
今回の例のように1枚引き程度ならば、1枚のカードから沢山の意味や解釈をチョイスしてもリーディングは出来ると思います。
けれどこれがケルト十字法、ヘキサグラム、ホロスコープなどカードの使用枚数の多いスプレッドになると、1枚のカードから意味や解釈を引き出し過ぎてしまうと、「意味・解釈の交通渋滞」が起こります笑
考えてみて下さい。
たった1枚のカードから、「不安、先が見えない、迷い、中途半端、直感、スピリチュアリティ」など、沢山の意味を一度に読んでしまったら、ヘキサグラムなら7倍(7枚)、ケルト十字法ならばこれの10倍(10枚)の意味・解釈を一度にまとめなければならなくなってしまいます。
それだけの意味・解釈を一度にリーディングしてしまうと、スプレッドリーディングの基本であるコンビネーションリーディングがしにくくなってしまったり、どの意味・解釈が正しいのか分からなくなってしまい、結局リーディングがめちゃくちゃになってしまうんです。
なので、1枚のカードを深読みし過ぎない、あれもこれもと意味や解釈を読み過ぎない、シンプルに「意味をひとつだけ」に絞ってリーディングをした方が良いのです。
それに、たとえ1枚引きだったとしても、カードの意味を色々と引き出し過ぎてしまって深読みし過ぎてしまうと、これも「どれが一番大切なメッセージなのか分からない…」ということになります。
ですので、なるべくカードはシンプルに、素直に、単純に読んだ方が良いのです。
プロのタロット占い師は、読むことに時間を掛けません
タロットカード占いを対面で受けたことがある方ならば分かると思うのですが、タロット占い師はカードを引いて、そのカードを見た瞬間からパッパッと素早くリーディングしています。
つまり、カードを1枚ずつ深読みし過ぎていたり、あれもこれもと色々な意味を読んだりしていないんです。
1枚ずつカードをシンプルに読んで、そのカード同士をつなぎ合わせて(コンビネーションリーディング)、まるで物語りを読み上げるようにスラスラとリーディングしていきます。
これがプロのタロット占い師です。
このようなリーディングをするためにも、「1枚のカードをシンプルに読むこと」「1枚のカードからはひとつの意味・解釈だけをチョイスすること」を意識して練習した方が良いのです。
1枚のカードを深読みし過ぎず、なるべくシンプルに、素直に、自然な読み方が出来ればそれでOKです。
とは言いつつも、リーディング方法は人それぞれです
上記に書いたのは、あくまで「タロットリーディングの基本」です。
それを発展させ、自分だけのオリジナルの読み方があっても良いですし、全く違うリーディング方法があっても良いと思います。
上記のリーディングが全て正解で、他は全部間違い、なんてことはありません。
まずはタロットの基礎を覚えて、それから自分が一番やりやすく、自分が一番信頼出来る方法を探してみて下さいね。
正しいワンカードリーディングの一例
先ほどのリーディング例を正しく読んでみますね。
「彼氏との関係を良くするためにはどうすれば良い?」という質問で1枚引きをして、「月」の正位置が出た場合。
・彼に対して、あなたの直感を信じて行動していきましょう。
自分の直感を信じることで、彼との関係を良くすることが出来るようになるでしょう
こんな感じにリーディングすることが出来ます。
(他にも色々と読み方はあります。これはあくまで一例です)
ただし、「直感を信じる」だけでは抽象的過ぎてどう行動して良いのかよく分からないので、ここに実際の行動例をプラスしてあげると良いですね。
・彼に対して、あなたの直感を信じて行動していきましょう。
あれこれと考え過ぎて行動出来ずにいるよりも、「こうしたい」「彼とこんな関係になりたい」という自分の直感を信じて行動していくことで、彼との関係を良くすることが出来るようになるでしょう
どうでしょうか。上のメッセージよりも分かりやすく行動しやすいメッセージになっていると思います。
こんな感じに、「1枚のカードから受け取るメッセージはひとつだけ」と決めて、深読みし過ぎずにワンカードリーディングをやってみて下さいね。
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